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MIDの強化ソーサラーブーツ vs 増魔の書2個、どちらが強い?(League of Legends)

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MIDでロールクエストを終えたあと、ブーツを800ゴールドかけて強化ソーサラーブーツにするか、増魔の書を2個買って+40APを取るか。同じ800ゴールドの使い道として、どちらが実際のダメージを伸ばすのか迷った経験はないでしょうか?

この記事では、パッチ26.16時点のアイテム性能をもとに、両者のダメージ増加率を実際に計算して比較します。相手MR別の数値、損益分岐点の式、そしてミニオン処理という例外ケースまで、計算を元にまとめていきます。

「強化ソーサラーブーツ」と「増魔の書」2個、同じ800ゴールドで何が違う?

まず前提として。

ブーツ(300ゴールド)からソーサラーブーツへのアップグレード費用は800ゴールドで、合計1100ゴールドです。MIDのロールクエストを達成していると、Tier2ブーツは追加費用0で自動的にTier3へ変化します。つまりMIDレーナーが800ゴールドを払うと、そのまま強化ソーサラーブーツ(Spellslinger’s Shoes)が手に入ります。

一方の増魔の書は1個400ゴールドで+20AP。2個買えばちょうど800ゴールドで+40APになります。比較条件としては完全に対等です。

選択肢費用得られる性能
強化ソーサラーブーツ800G(ブーツから)魔法貫通20+魔法貫通8%+移動速度45
増魔の書×2800G(400G×2)魔力+40

注目すべきは、強化ソーサラーブーツの魔法貫通はパッチ26.16(2026年8月11日)で18から20へ引き上げられたという点です。同パッチではMIDの防具ブーツ(Chainlaced Crushers)の魔法防御が30から25へ下げられており、Riotは「MIDのメイジの攻撃力を通しやすくする」方向に明確に舵を切っています。この2つの変更は同じ向きに働くため、比較の前提として押さえておく価値があります。

強化ソーサラーブーツの魔法貫通20+8%がMRを削る仕組み

魔法ダメージの被ダメージ倍率は、次の式で決まります。

被ダメージ倍率 = 100 ÷ (100 + 実効MR)

ここで重要なのが貫通の適用順です。LoLでは「%貫通 → 定数貫通」の順に処理されます。強化ソーサラーブーツを履いた場合の実効MRは次のようになります。

実効MR = 相手のMR × 0.92 − 20

MR50の相手で計算してみる

相手のMRが50なら、まず8%貫通で50×0.92=46。そこから定数貫通20を引いて実効MRは26です。被ダメージ倍率は100÷126=0.794となり、貫通なしの100÷150=0.667から大きく改善します。

ここで一点だけ注意があります。貫通は実効MRを0より下には下げられません。MRがもともと0に近い対象に対しては、貫通20も8%も一切機能しないということです。この性質が後半のミニオンの話に効いてきます。

また、魔法防御のゴールド価値は1あたり20ゴールド、魔法貫通は1あたり約46.67ゴールドとされています。貫通は単価が高いぶん、ステータス効率として強く設定されている数値です

相手MR別に見る強化ソーサラーブーツのダメージ増加率

前節の式を使い、相手のMR帯ごとにダメージがどれだけ伸びるかを計算しました。平均的なMIDレーナーは、レベル11前後で素のMRが約40、ルーンのシャード込みで45〜50、マーキュリーブーツを買われると70前後になります。

相手MR貫通なし倍率実効MR貫通あり倍率ダメージ増
300.7697.60.929+20.8%
400.71416.80.856+19.9%
500.66726.00.794+19.0%
600.62535.20.740+18.3%
800.55653.60.651+17.2%
1000.50072.00.581+16.3%

結果として、現実的なMR帯のほぼ全域で、ダメージが16〜21%伸びます。相手が防具を積んでMR100まで盛ってきても+16.3%は残るため、強化ソーサラーブーツの効果が腐る場面はチャンピオン相手にはほぼありません

重要なのは、MRが低いほど増加率が大きいことです。定数貫通20は相手のMRが小さいほど相対的に重く効くため、序盤〜中盤の柔らかい相手に対して最も強く働きます

増魔の書2個の+40APが強化ソーサラーブーツに届かない理由

増魔の書側のダメージ増加率は、使うスキルの内訳で決まります。計算式はこうです。

増加率 = 追加魔力40 × 合計AP反映率 ÷ 購入前のコンボ総ダメージ

レベル9シンドラで試算する

条件は、レベル9でQランク5・Wランク2・Eランク1・Rランク1、アイテムはルーデンエコー(魔力100)とドランリング(魔力18)。購入前の魔力は118です。QEWRコンボを当てた場合の内訳を出します。

スキル基礎ダメージAP反映率
Q(ランク5)23070%
W(ランク2)10065%
E(ランク1)6060%
R(ランク1・球3個)24060%
ルーデンエコー発動755%
合計705260%

購入前の総ダメージ量は 705+118×2.60=1012。

増魔の書2個で魔力158になると 705+158×2.60=1116 で、増加率は+10.3%

強化ソーサラーブーツを選ぶと、相手MR40に対して、増加率は+19.9%

実ダメージに直すと、増魔の書797、強化ソーサラーブーツ866となり、靴のほうが書より約8.7%、数値にして69ダメージ多く通ります

差が生まれる理由は単純で、魔力は基礎ダメージ705という土台に上乗せされるだけなのに対し、貫通は705も306も含めた全体に一律で掛かるからです。

強化ソーサラーブーツより増魔の書が勝つ場合は?損益分岐点の計算式

増魔の書が絶対に勝てないわけではありません。両者の増加率が等しくなる条件を整理すると、次の形になります。

増魔の書が勝つ条件:
AP反映率100%あたりの基礎ダメージ < 40 ÷ 靴のダメージ増加率 − 現在の魔力

左辺は「基礎ダメージ合計 ÷(合計AP反映率÷100%)」で求めます。基礎ダメージが小さく、AP反映率が高いスキル構成ほど左辺が小さくなり、増魔の書が有利になります

レベル9シンドラで当てはめる

  • 左辺:705 ÷ 2.60 = 約271
  • 右辺:40 ÷ 0.199 − 118 = 約82

271が82を大きく上回っているため、この場面では強化ソーサラーブーツの勝ちです。しかも3倍以上の開きがあります。

右辺を271まで押し上げるには現在の魔力をマイナスにする必要があり、これは不可能です。つまりシンドラの場合では、どのタイミングで比べても増魔の書2個が上回ることはありません。魔力が増えるほど右辺は下がるので、差は開く一方です。

逆に書が勝つのは、基礎ダメージがほぼゼロでAP反映率だけが極端に高いスキルを、魔力がほとんど無い状態で撃つ場合に限られます。実戦のMIDではまず成立しない条件です。

MIDレーンで強化ソーサラーブーツを優先すべき実戦での判断基準

数字だけでなく、盤面の状況から見た判断基準も整理しておきます。

強化ソーサラーブーツを優先すべき場面

  • 相手MIDにキルを狙いに行く、またはガンクに合わせる展開が近い
  • サイドレーンへのロームやオブジェクト集合を考えている
  • 相手が防具ブーツやMRアイテムを買い始めた

増魔の書を先に挟んでもよい場面

  • 次のレジェンダリーアイテムの完成が数百ゴールド以内に迫っている
  • 戦闘より先にウェーブを押し切りたい状況が続いている

また、大事なのが移動速度45の価値です。MIDは移動距離あたりの影響力が最も大きいロールであり、ロームの往復が速くなること自体が実質的なダメージ源にもなります。上の計算では移動速度を完全に無視して+19%の差が出ているため、実際の価値差はさらに開きます

なお増魔の書は最終的なアイテムの素材になるため、買っても無駄にはなりません。両者は「どちらか一方」ではなく「どちらを先に買うか」という順番の問題であると捉えるのが正確です。

ミニオンプッシュの判断によっては増魔の書2個が勝るケースも?

ここまで貫通有利の話を続けてきましたが、明確な例外があります。それがミニオン処理です

現在のサモナーズリフトでは、ミニオンは時間経過で魔法防御を得ません。仕様変更により「ミニオンは armor と magic resist を時間で獲得しない」形になっており、代わりに体力の伸びで耐久力が補われています。つまりレーンミニオンの魔法防御は実質0です

前述のとおり貫通は実効MRを0未満に下げられないため、MR0のミニオンに対して魔法貫通20も8%も、ダメージを1ポイントも増やしません。強化ソーサラーブーツのウェーブクリア寄与はゼロです。

対して増魔の書2個の+40魔力は、AP反映率60%のスキル(シンドラのEなど)なら1発あたり+24ダメージ。これはキャスターミニオンを一撃で処理できるかどうかの分水嶺になり得る数字です。

それでも順序が入れ替わるのは限定的

プッシュ速度が上がれば、その分だけ早くロームやオブジェクトに参加できます。ただしローム先で戦うなら結局は貫通が効いてくるうえ、移動速度45もそこで働きます。

ダメージトレードやファイトは見ず、早く押し切ること自体がどうしても必須」という極限定的なケースにおいてのみ増魔の書2個が有効、という切り分けが実戦的でしょう。